「遺憾」に思う

尖閣諸島北方四島など日中、日ロ間の領土問題が相手国の明らかに意図的と断じられる画策によって日本は窮地に立たされている。しかし、日本政府の対応は甚だ心もとないもので、これらの重大な外交問題に対して「遺憾」としか表現できない民主党政権は打つ手もなく戸惑うばかりのように見受けられる。これら領土が我が国に帰属することは、この百年来の歴史的経過を辿っても明らかであり、当事国である日本政府の対応が「遺憾に思う」では、当事者ではなく第三者の立場、行動は起こさないと言っているのと同じである。年初来、中露は急接近を図り、第2次世界大戦終結65周年記念を掲げて共同画策に打って出たと思われる。両国はいずれも経済力の増強を背景に強気外交の展開を意図し、また国内政権基盤の強化を画策する演技においても共通し、また沖縄米軍基地を巡る日米間の軋みを好機と捉えての一連の予定行動とみられる。政府は「遺憾に思う」ではなく、直ちに領土問題に対する歴史的事実を国内外にアピールし、世界的な広がりで認識と理解を求める行動を起こすべきである。この問題は感情論ではない。足元を見透かしたしたたかな外交術策に振り回されることなく毅然とした主張をして頂きたい。目先の経済的損失を恐れて、協戦略的互恵関係という麗句では主権は守れないのではないか。