今年はどんな年

今年は昭和で数えれば90年になり、戦後では70年ということにになる。昭和の時代、そして戦後の時代は世代を超えて遠ざかりつつある。しかし、韓国、中国は今もって連日のように侵略戦争従軍慰安婦をとりあげ、領土問題と合わせて批難を繰り返し、日本との関係はギクシャクしたまま一行に改善の兆しが見られない。すでに戦争の直接的な生き証人となる世代はもう殆ど亡くなられた。だからといってあの悲惨な戦争を過去のものとして決して風化させてはならないが、一方では新しい世代がいつまでも過去にとらわれることなく良好な関係を築けるような積極的な行動をとってほしいものだ。
フランスでは早々にイスラム過激派によるムハンマド風刺新聞社へのテロが発生し、世界を震撼させている。アルカイダイスラム国との関連があるメンバーによる犯行のようだが、イスラム教の教義とテロリズムは関係がない。フランスでは表現の自由を旗印に350万人以上がテロへの抗議を表明した。イスラム過激派によるテロは9.11以来世界各地に飛び火している。彼らの行動は他者を否定し、人間の生を否定する殺戮者集団に過ぎない。個人間、組織間、国間、宗教間、人種間それぞれ利害が対立することは世界の常であり、それを暴力や武力で解決ることは決してできない。互いの主張は相容れなくても寛容と忍耐で存在を認め合わなければならない。さらに言えば表現の自由を楯に、誇大に相手を風刺したり嘲弄することも自ずと限度を弁えなければ相手の反感をいたずらに刺激し、共存の道を危うくすることになる。地球という運命共同体は、21世紀に入りますます狭く、小さくなっている。地球という同じ屋根の下に住む隣人としての最低限のマナーは非暴力である。
期せずして同時代を生きることになった隣人同士が他者の存在を認め、寛容と忍耐で共存し、過去よりも少しでも住みよい社会を整えて次の世代に引き継げるようにしたいものである。