盛岡での夏休み

学校が夏休みに入り、息子夫婦も10日ほど休みが取れたので、盛岡に帰っていた。それまで涼しかったらしいのだが、当日から夏の暑さがぶり返し、残り数日は涼しかったものの連日30℃を超える暑さではあった。ただ夜は涼しくその分凌ぎやすかった。この間、東北電力の電力使用率が96%に達する日もあり、東電以上に逼迫していることに驚いた。東北電力の見込みが甘かったのか、急遽東電からの供給を受け何とかその場を乗り切れたようであるが、今後も冬の需要期を通して逼迫が続くらしい。東北全体の電力使用量は、東京電力の4分の1程度と少ないが、女川や東通原発は全て停止中で約300万kWが供給されていないようだ。東北地域は広く、風力や地熱、バイオマスなど再生可能エネルギーの潜在力が高い地域であり、これからは小規模でもローカルなエネルギー資源の拡大を進めてほしい。すでに葛巻や竜飛の風力、松川や鬼首の地熱発電など小規模ではあるが稼働している。さらには、たかっての広大な新炭林が殆ど放置されている。新炭林は約20年のサイクルで利用可能であり、伐採後は植林しなくても萌芽により再生し、それ以上放置しておくと生産力は低下するらしい。いまは炭の利用は限られるが、時と場合によっては炭だって立派なエネルギー減だし、バイオマス発電だって可能だろう。私のかすかな記憶には、木炭バスの走る光景が残っている。確か、7歳の頃だと思うのだが、木炭というより、バスの後部から煙を出していたので薪バスだったのではないだろうか。
そんな時代に戻れというわけではないが、現在の科学技術を用いれば、木材から今に通用するエネルギーを取り出す方法は、いくつか考えられるだろう。
そういえば、私が小学生の頃、父親の炭焼きを炭窯造りから手伝ったことが懐かしく思い起こされる。窯の上で乾芋を作ったこと、窯の割れ目から見えた赤い炎、煙の臭いの変化、炭窯を開けたときのペンペンとなる音など五感に残る懐かしい記憶が、こんな時代にも思い起こすことが出来る。